一般目標(GIO)/ねらい
社会的・文化的な性のあり方を指す「ジェンダー」という概念について基礎的な知識を学ぶとともに、社会のジェンダー構造のあり方に気づき、多角的に考察する視座を習得する。

到達目標(SBOs)/学修目標
1. ジェンダーに関する基本的な用語を説明することができる。
2. 具体的な事項について、ジェンダー論の視点から分析、考察することができる。

身につけるべき知識・能力
幅広い視野を持つための一環として、ジェンダーをめぐる状況を論理的かつ多面的に理解する能力、また、自らのライフコースにおける問題解決の糸口を見出し、さらに社会人としてジェンダー公正に貢献しうるような知識と能力の習得が求められる。

受講心得・準備学習等
ジェンダーは社会の中に埋め込まれているために「自然なこと」として存在しており、固定観念や思いこみの多い領域でもある。授業では、この「当たり前」を問いなおし、現代社会のジェンダーのあり方を掘り下げてとらえていく。受講者には、ジェンダーをめぐる各回のテーマを身近な問題として意識し、考えることが求められる。授業の最後にリアクション・ペーパーを提出してもらい、授業の理解度と、テーマに関する考察の度合いを評価する。日ごろより新聞等に目を通し、現在社会で何が問題になっているのかをおさえておくことが必要である。

事後学習・復習等
習得した知識を授業だけで終わらせず、日々の出来事、身の回りの事象と関連させて考えてみる。

オフィスアワー
質問・相談があれば、授業前後に来てください。

授業の形式
講義を中心とする。(テーマによってグループワークを行うことがある。)

各回の内容

※備考は2024年以降入学生適用。SBOコードは2023年以前入学生適用。
回数 項目 内容 担当者 ※備考/SBOコード
1 ガイダンス ジェンダーとは何か
2 セクシュアルマイノリティ セックス・ジェンダー・セクシュアリティの多様性
3 伝達されるジェンダー規範 子どもをめぐるジェンダー規範の伝達と受容
4 学校のジェンダー秩序 学校現場でのジェンダーをめぐる相互作用
5 労働とジェンダー 労働におけるジェンダー格差とワーク・ライフ・バランス
6 格差を是正する方法 政治・経済におけるクオータ制導入の検討
7 ことばとジェンダー 「女言葉」をめぐる制約と可能性
8 メディアとジェンダー メディアの構築する「現実」とジェンダー(グループワークの予定)
9 「男らしさ」の規範 男性の抱える問題と社会のありかた
10 デートDVの構造 交際相手によるDVの実態と要因
11 買売春のポリティクス 買売春の社会的背景と権力構造
12 性暴力と二次被害 性暴力の構造とMeToo運動
13 戦争とジェンダー 戦時性暴力を考える
14 まとめ ジェンダー論をふり返る

成績評価の方法
リアクション・ペーパーと小レポートにより、総合的に評価する。

成績評価の基準
授業内容の理解度、論述における論理性や着眼点などを評価する。総合して60%以上を合格とする。

フィードバック
高評価のリアクションペーパーを次の授業時に紹介することで、問題関心の共有を図るとともに、評価基準を示唆する。

教科書
教科書は使用せず、毎回プリントを配布する。

参考書など
授業のなかで適宜紹介する。