一般目標(GIO)/ねらい
薬学を学ぶ上で必要な物理学の基礎力を身につけるために、物質および物体間の相互作用などに関する基本的事項を修得する。

到達目標(SBOs)/学修目標
【①基本概念】
1. 物理量の基本単位の定義を説明できる。
2. SI単位について説明できる。
3. 基本単位を組み合わせた組立単位を説明できる。
4. 物理量にはスカラー量とベクトル量があることを説明できる。
【②運動の法則】
1. 運動の法則について理解し、力、質量、加速度、仕事などの相互関係を説明できる。
2. 直線運動、円運動、単振動などの運動を、数式を用いて説明できる。
3. 慣性モーメントについて説明できる。
【③エネルギー】
1. エネルギーと仕事の関係について説明できる。
2. エネルギーの種々の形態(熱エネルギー、化学エネルギー、電気エネルギー)などの相互変換について、例をあげて説明できる。
【④波動】
1. 光、音、電磁波などが波であることを理解し、波の性質を表す物理量について説明できる。
【⑤レーザー】
1. レーザーの性質を概説し、代表的な応用例を列挙できる。
【⑥電荷と電流】
1. 電荷と電流、電圧、電力、オームの法則などを説明できる。
2. 抵抗とコンデンサーを含んだ回路の特性を説明できる。
【⑦電場と磁場】
1. 電場と磁場の相互関係を説明できる。
2. 電場、磁場の中における荷電粒子の運動を説明できる。
【⑧量子化学入門】
1. 原子のボーアモデルと電子雲モデルに違いについて概説できる。
2. 光の粒子性と波動性について概説できる。
3. 電子の粒子性と波動性について概説できる。

身につけるべき知識・能力
高度化、専門化する医療に対応できる薬剤師に必要な物理の知識。科学的・論理的な思考能力を基礎として、問題を構造化し、解決する能力。

受講心得・準備学習等
授業中の私語、飲食など授業を妨害する行為や不正行為は厳禁。
高校で数学Ⅲを履修していない者は早い時期に自習しておくこと。
予習として下記教科書を読んでくること。

事後学習・復習等
「量子力学」、「量子論」、「相対論」の教科書を読むことを勧める。

オフィスアワー
本授業のある日の16:30から18:00に物理学研究室で質問を受付ける。その他の時間帯を希望する場合は担当者に確認すること。また、定期試験に関する質問は実施日の3日前からは受け付けない。

授業の形式
講義・演習

各回の内容

※備考は2024年以降入学生適用。SBOコードは2023年以前入学生適用。
回数 項目 内容 担当者 ※備考/SBOコード
1 はじめに 物理学とは、空間と時間、物理量と物理法則、単位、有効桁数、等 中川
2 運動 直線運動の速度・加速度と微分、一般の運動の速度と加速度、円運動、等 中川
3 運動の法則 運動の3法則、いろいろな力と力の法則、等 中川
4 運動の法則 さまざまな運動、慣性モーメント、等 中川
5 エネルギー 仕事と力学的エネルギー、等 中川
6 エネルギー さまざまなエネルギー、等 中川
7 波動 波動の基本的性質、等 中川
8 波動 反射、屈折、回折、干渉、レーザーの性質と種類、等 中川 c1(1)-③-4・5
9 電荷と電流 電荷、電場、導体とコンデンサー、等 中川 c1(1)-②-2
10 電荷と電流 電流と抵抗、等 中川
11 電場と磁場 磁場、電磁誘導、等 中川
12 電場と磁場 ローレンツ力と荷電粒子の運動、電磁波、等 中川 c1(1)-③-1
13 量子化学入門 光の粒子性と波動性、電子の粒子性と波動性、ボーアの量子化条件と原子模型、等 中川
14 原子核 原子核の構成、核エネルギー、原子核の崩壊と放射能、素粒子、等 中川 c1(1)-④-1・2・3

成績評価の方法
期末試験の点数、提出課題、授業の取組み方および態度を総合して点数を算出し、評価する。

成績評価の基準
上記総合点(100点満点)の60点以上を合格とする。

フィードバック
課題の解説は講義時間内に行う。定期試験の解説はフィードバック期間内に行う。

教科書
原康夫 著 「第3版 物理学入門」(学術図書出版)

参考書など
和田義親 他 「薬学生のための基礎シリーズ3 基礎物理学」(培風館)